「肌が若返る!肌が潤う!」と最近注目されているヘパリン類似物質。
皮膚科で処方されるヒルドイドにもヘパリン類似物質が配合されています。
美容目的で皮膚科で処方してもらうのはNGですが、市販の化粧品に含まれていることも多いです。
しかし、「ヘパリン類似物質を使うと肌が潤うのはわかってるけど、なぜ潤うのかわからない」と、正確なメカニズムを知らないまま使ってる人も多いようです。
そこで今回は、現役薬学部生である筆者がヘパリン類似物質の効果について詳しく解説したいと思います。
記事の後半ではおすすめのコスメも紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
目 次
ヘパリン類似物質は保湿剤の一種です。アトピー性皮膚炎による乾燥肌や、ケガでできたケロイドの予防などを目的に処方される軟膏薬「ヒルドイド」の主成分です。
ヘパリン類似物質の効果は大きく分けて3つあります。
①保湿力
②血行促進効果
③抗炎症効果
それぞれ解説していきます。
ヘパリン類似物質に似た構造を持つヘパリンは、ヒアルロン酸などと同じくムコ多糖類です。
皮膚の真皮の部分に多量に存在し、多くの水分子をヘパリン分子上に吸着することで、細胞と細胞の間の水分を保つ働きがあります。
ヘパリン類似物質は、このヘパリンと非常によく似た構造であるため、作用も似ています。
真皮にまで水分を浸透すると言われていて、強い水分吸着能により高い保湿性を示します。
ヘパリン類似物質は、血液凝固阻止作用を持つため、血液が固まりにくくなる=血行促進効果があります。
血液凝固に関わるタンパク質「フィブリン」が多くなると、血液凝固作用が強くなります。
ヘパリン類似物質は、Xa因子というものを阻害することで、フィブリノーゲン(フィブリンの前駆物質)からフィブリンへの変換を促進する「プラスミン」という物質の作用を低下させます。
よって、ヘパリン類似物質が作用するとフィブリン生成を低下させることができる=血液が固まりにくくなるのです。
肌から水分が抜けていくことで、皮膚が乾燥します。肌が乾燥すると、バリア機能が下がり、皮膚に炎症がおき、血行障害を生じたりします。
先述した通り、ヘパリン類似物質には肌の潤いを保つ効果があります。
皮膚に起こった障害の治癒を促すことができる作用=抗炎症効果があるとされています。
最近では、ヒルドイドを美容目的で処方してもらうのはNGです。あくまで皮膚治療で使用されているものであるため、市販のヘパリン類似物質配合化粧品を使うようにしましょう。
余談ですが、私は薬学実習生として5年生の夏に病院実習をしていて、病院の薬剤部で調剤していました。
その時驚いたのが、ヒルドイドローション、ヒルドイドソフト軟膏の処方は、外来処方が1番多かったということです。
外来処方なので、美容目的で来院したのか治療目的なのかははっきりしませんが、使う人が多くなっているのは確かです。
美容目的で医療用医薬品のヘパリン類似物質含有製品を使うことのデメリットには以下のようなものがあります。
・美容外科などがある病院に行って処方箋をもらう必要がある
=保険がきくため薬の値段は3割負担でいいが、診察料がかかるので、結局値段が高くなってしまう
・今後保険適用から外される、または一部処方制限がかかる可能性がある
よって、欲しい方は市販のものを使ってみてくださいね。記事後半では、おすすめのヘパリン類似物質配合コスメを紹介します。
ヘパリン類似物質は、特に以下のような人に効果を発揮します。
当てはまる方はヘパリン類似物質含有の化粧品を使用するとよいかもしれません。
ヘパリン類似物質は、他の保湿効果のある成分と比較すると、保湿効果が非常に強いです。
皮膚の奥深くの神秘にまで水分を浸透させるので、保湿効果が強いとされています。
ヒルドイド(ヘパリン類似物質含有)はシミや色素沈着へは適応外使用です。
色素沈着やシミに対して有効性を検討したデータや報告はないですが、一般的に言われてるのが、ヘパリン類似物質の強い保湿効果がシミにいいとされています。
表面がスムースで平らな茶色いシミは、皮膚の表面よりやや深いところにあります。
ヘパリン類似物質は真皮(皮膚の深いところ)まで水分が浸透するので、水分を浸透させた皮膚に美白クリームを塗ることで効果が期待できます。
ヘパリン類似物質の血行促進作用・保湿作用により、皮膚を柔らかくし、潤いを与えることで、傷・やけどの跡が残った皮膚のしこり・つっぱりを取り除きます。
今回は、医療用医薬品のヒルドイドを使わず、上で述べたようなヘパリン類似物質の効果が期待できる化粧品を紹介したいと思います!
アドライズは、製薬会社が開発したスキンケアブランド。
保湿力が強いヘパリン類似物質を含んでいる上に、シミの原因であるメラニン成分を抑えるプラセンタエキスまで配合されているため、保湿効果+美白効果のダブル効果が狙えます!
商品は、ローション、クリーム、クレンジングミルク、フェイスウォッシュ(洗顔料)、ソープ(固形の洗顔料)と製品ラインナップが揃っており、徹底的に肌を保湿します。
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日焼け止めでランキング1位に輝いたことのあるNALCが発売した保湿クリーム。
ヘパリン類似物質を含んだ乳剤で、顔だけでなく、身体にも使えます。
グリチルリチン酸ジカリウムがニキビや肌荒れ・しもやけ・ひびを防いでくれます。
パッケージも可愛いのでSNSでも話題を呼んでいます。
小林製薬のSaikiシリーズは、乾燥荒れ肌治療薬として販売されています。
化粧品ではなく、第2類医薬品です。
無香料・無着色、弱酸性、アルコール(エタノール)フリー、パラベンフリーの低刺激でやさしい処方であるため、敏感肌の方でも安心して使用することができます。
ヒルドイドの主成分として、元々は皮膚治療目的で使用されていたヘパリン類似物質。
現在ではヘパリン類似物質が配合された化粧品も多く販売されており、保湿力、血行促進効果、抗炎症効果が注目されています。
シミや傷あと、乾燥肌に悩んでいる方はぜひ、今回紹介したコスメを使用してみてくださいね。