HOME > 美容コラム > 【美活女子座談会②】肌の漂白剤?ハイドロキノンの気になる効果

【美活女子座談会②】肌の漂白剤?ハイドロキノンの気になる効果


美白成分として近年注目を集めている、『ハイドロキノン』。
ほかの成分と比べて、非常に効果が高いことで知られていますよね。
その一方で、副作用が注意と言われることもあります。
「使ってみたいけれど、ちょっと心配・・・」という方もいらっしゃるかもしれません。

「化粧品は成分・効果重視!」という美活女子たちとの座談会第二弾。
今回はハイドロキノンの効果と気になる副作用について、徹底的に掘り下げてみました!

第一弾はこちら:【美活女子座談会①】トラネキサム酸の効果とは?シミに効くってホント?

ハイドロキノンの美白効果

筆者:まず、『ハイドロキノン』についてのイメージを教えてください。

B:ハイドロキノンと言えば、美白成分として有名ですよね!
とても強い美白効果があると聞いたことがあるんだけど、実際には使ったことはなくて・・・。

Aハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれるほど、強い漂白作用がある成分です。
元々はコーヒーや紅茶の中にも含まれる天然の成分なんですけど、写真の現像液として使われていることでも知られていますね。

C:「ハイドロキノンを使って写真の現像をしていた人の手が白くなったことから美白効果があることがわかった」なんて言われていますよね!

A:私も聞いたことがあります。
ハイドロキノンは肌への刺激が強いことや酸化しやすい点などから、元々は化粧品には使われておらず、医師の処方が必要なものだったんです。

B:え、そうなんですか?

C2001年の薬事法改正によって化粧品への配合が可能になりました。
今ではハイドロキノンを配合した化粧品も増えてきましたね。
中でもハイドロキノン配合クリームがポピュラーですね!

【関連】美白に効果的!ハイドロキノン配合クリーム5選&選び方を解説

ハイドロキノンがシミに効く仕組み

筆者:ハイドロキノンの美白効果について、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。

化粧品に配合されている美白成分はほかにも何種類かありますが、それらとハイドロキノンにはどのような違いがあるのでしょうか?

A:美白成分と一口に言っても、「シミができるどの段階で作用するのか」という点に違いがあるんですよ。

B:まず、シミができるまでのメカニズムを知りたいです…!

A:紫外線など外部からの刺激を受けると、表皮の基底層にあるメラノサイトという細胞に、メラニンを生成するよう指示が出されます。
そして、アミノ酸の一種であるチロシンと活性酵素のチロシナーゼが結びつくことでメラニンが生成されるのです。

さらに、ターンオーバーの乱れなどによってメラニンが排出されずに沈着することで、シミができてしまいます。

C:一般的な美白成分は、メラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーを促進してメラニンを排出したりするものが多いんですよね。

B:そのような作用はよく聞きますね。
ハイドロキノンは違うんですか?

A:ハイドロキノンには、2つの作用があります。
まずは、酵素チロシナーゼの働きを阻害してメラニンを作らせないようにする働きです

C:チロシナーゼを阻害する成分としては、アルブチンやコウジ酸、ビタミンC誘導体なども知られていますね。

A:そうです。でも、ハイドロキノンはアルブチンやコウジ酸、ビタミンC誘導体などと比べて10~100倍もチロシナーゼに対する作用が強いと言われているんですよ。

B:そんなに!それならシミの予防に期待ができそうですよね。

A:ハイドロキノンの効果はそれだけじゃないんです。
ハイドロキノンには、メラニンを還元する作用もあると言われているんですよ。

B:メラニンを還元?つまりできてしまったメラニンを薄くするということですか?

A:そうです。メラニン還元作用はビタミンC誘導体にもありますが、ハイドロキノンのほうが効果は高いと言われています。
まさにハイドロキノンならではの特徴と言っていいと思います。

B:だから「肌の漂白剤」と言われているんですね。
シミを予防するだけではなく、できてしまったシミを薄くしてくれるというのは嬉しいですよね!

ハイドロキノンのシミ以外への効果

筆者:お肌のお悩みと言えば、シミ以外にも色々あると思います。
ハイドロキノンはどのような肌トラブルに対して効果があるのでしょうか?

A:先ほど説明したように、ハイドロキノンにはメラニンを還元する作用があります。
ですから、メラニンの色素沈着が関係しているお肌のお悩みには効果が期待できますね。

B:例えばどんなものがありますか?

A:頬などに左右対称のシミができる肝斑にも、ハイドロキノンが一定の効果を持つと言われていますね。
実際にクリニックなどでもハイドロキノンを使った肝斑の治療が行われているそうです。

Cやけどや傷、ニキビなど炎症の後にできる色素沈着にもメラニンが関係しているそうです。
ですからハイドロキノンによる効果が期待できそうですね!

A:そのほか、そばかすが気になるという方にもおすすめですよ。

ただし、ハイドロキノンは肌の表皮ではなく真皮にできてしまったシミには効きにくいと言われていますから、注意してくださいね。

ハイドロキノンの注意点

筆者:美白効果の高いハイドロキノンですが、副作用についてもしばしば話題になりますよね。
効果が分かったところで、デメリットについてもお伺いしていきたいと思います。

ハイドロキノンに副作用はある?

B:実は私も、ハイドロキノンの副作用が心配だったりして・・・。
具体的にどのような副作用があると言われているんですか?

A:やはりそれだけの漂白作用がある成分ですから、お肌の弱い方が使うとかゆみや湿疹、炎症などが起こることがあると言われているんです。
約10%の方に副作用が起こる可能性もあると言われていますから、使う際には注意してくださいね。

C:心配ならあらかじめパッチテストをするのがおすすめ!
絆創膏のガーゼ部分にハイドロキノン配合化粧品を塗って二の腕などに貼り、48時間以内に異常が出なければ、基本的にはハイドロキノンを使っても問題ないそうです。

B:ハイドロキノンには漂白作用があるということですが、白斑の心配はありませんか?

A:一般的な化粧品に配合されているハイドロキノンの濃度であれば、心配はないと言われています。
10%以上の高い濃度のものを長期間使った場合には白斑の心配も出てきますが、通常は医師の管理の下で行われるため、それほど警戒しなくてもよいでしょう。

使い方にも気を付けよう

筆者:効果をきちんと実感するために、使い方でも注意が必要なことはありますか?

Aハイドロキノン配合化粧品を使うときに絶対忘れてはいけないのが、紫外線対策です!

B:そうなんですか?それは知りませんでした。
どうして紫外線対策が重要なんですか?

A:実は、ハイドロキノンを塗った上から紫外線を浴びてしまうと、かえってシミが濃くなってしまうということが報告されているのです。
これは、紫外線によってハイドロキノンが『キノン』という毒性を持った物質に変わり、メラニンの生成を促してしまうからだと考えられているんです。

Cハイドロキノン配合化粧品は、なるべく夜に使ったほうがいいと言われていますよね。

A:朝に使う場合には、なるべく紫外線を浴びないようにするか、SPF20以上の日焼け止めを使ってしっかりと紫外線対策をすることが大切です。

筆者:ほかにも気を付けたほうがいいことはありますか?

A:ハイドロキノン配合の化粧品は保存にも注意が必要です。

ハイドロキノンは光や温度の影響を受けやすく、すぐに酸化してしまいます。
酸化すると、さっきも言った『キノン』という刺激物質に変わってしまうこともあるんですよ。

B:それは困りますね!どんなふうに保存しておけばいいんでしょうか?

A:クリニックなどで処方されるハイドロキノンは、冷蔵庫で保存するように指示されることが多いようです。
化粧品の場合は製品によって保存の仕方も違いますので、説明書で確認してみてください。
冷蔵保存が必要ない場合にも、しっかりと蓋をしてなるべく冷暗所に保管するのがおすすめ!

C:古くなったものも使わないほうがよさそう。
ハイドロキノン配合化粧品は保管方法や使用期限をきちんと確認することが大切ですよね。

ハイドロキノンは種類や濃度によって効果が変わる

筆者:ハイドロキノン配合化粧品を見ていると、名前や濃度がさまざまですよね。
それによって効果にどのような違いがあるのか、気になります。

ハイドロキノンの3つのタイプ

B:そういえば、『ハイドロキノン誘導体』とか『純ハイドロキノン』とかいろいろな名前を聞いたことがあります!
これって違うものなんですか?

A:はい、実はハイドロキノンは大きく3種類に分けることができるんです。

まずは、『純ハイドロキノン』と呼ばれるものですね。
名前の通り純度100%のハイドロキノンで、皮膚科で処方されるのは多くがこのタイプ。
化粧品に使われていることもありますね。

B:純度100%なら美白効果が高そう!

A:と思いますよね。でも純ハイドロキノンは効果が高い分肌への刺激も強いため、注意が必要と言われているんです。
医師の管理のもとなら安心ですが、自分で使う場合には気を付けてくださいね。

C:その点比較的安心だと言われているのが、『安定型ハイドロキノン』ですね。

A:そうです。『安定型ハイドロキノン』はハイドロキノンにほかの成分を混ぜたものなので、肌への刺激も少ないと言われているんですよ。
市販の化粧品に多く使われているのはこのタイプです。
ただし純ハイドロキノンに比べれば効果は低いと言われており、即効性は期待できません。

B:継続的に使うことで、美白に役立てるのがよさそうですね!
じゃあ、『ハイドロキノン誘導体』はこれらとは違うんですか?

A:『ハイドロキノン誘導体』そのものは、実はハイドロキノンではないんです。
あくまでも、ハイドロキノンに作用が似ている成分です。

代表的なものに、美白有効成分であるアルブチンの一種『α-アルブチン』があります。

C:ハイドロキノンの副作用が気になるという方にはおすすめですよね。
ただしシミの予防効果はあっても、メラニンの還元作用を期待している方にとっては少し物足りないかもしれません。

筆者:自分の肌の悩みに合った種類のハイドロキノンを選ぶことが大切だということがわかりました!

濃度による効果の違い

B:種類だけじゃなく、濃度にも違いがあるんですよね?
こちらも高いほうが効果が高いけど、刺激も強いってこと…?

A:その通りです!そもそも濃度とは、ハイドロキノンそのものの濃度ではなくて、化粧品全体の中にハイドロキノンがどのくらい含まれているかということです。

日本で販売されている化粧品は、1~4%程度のものが多いですね。
皮膚科で処方されるものは、5%以上の高い濃度のものもあります。

B:どのくらいの濃度のものを使うのがおすすめですか?

C始めてハイドロキノンを使う場合には、1~2%のものから始めてみてはいかがでしょうか。
刺激が少ないので敏感肌の方でも安心!顔全体に塗っても大丈夫だと言われていますよ。

A:ただどうしても効果は弱めなので、継続して使うのがいいかも…。

B:ハイドロキノンの濃度が3%くらいになると、やっぱり心配ですか?

A:そうですね。3%くらいになると、敏感肌の方でなくても使用前のパッチテストをしたほうがよいでしょう。
効果も比較的高いので、顔全体ではなくシミが気になる部分にピンポイントで使うのがおすすめです。
一定期間使ったら、少しお休み期間を入れることも大切ですよ。

C:濃度の比較的高い化粧品を使うときは、医師が監修したドクターズコスメを選ぶと安心!
もちろん、使用方法を読んで正しく使うことが前提ですが。

A:それ以上の濃度のものは、基本的に皮膚科で処方してもらう必要があります。
海外の化粧品の中には高濃度のものもありますから、気を付けて選んでくださいね。

B:ハイドロキノンの濃度についても勉強になりました!

A:そうそう、同じ2%の化粧品であっても、純ハイドロキノンを使っているものと安定型ハイドロキノンを使っているものとでは、実際のハイドロキノンの濃度は違うので、その点にも注意が必要です。

筆者:ハイドロキノン配合化粧品を選ぶときは、種類と濃度の両方に注目することが大切なんですね。

ハイドロキノンの効果について・まとめ

B:ハイドロキノンには強い美白効果があるということがわかりました。
それと同時に、使い方や副作用にも注意が必要なんですね!

C:どんな成分でもそうですが、よい面だけではなく、そうでない面も知っておくことが大切なんですよね。

A:ハイドロキノン配合化粧品は、シミに悩んでいる方にとってはとても心強いアイテムですから、上手に選んで使っていただきたいですね。

筆者:ハイドロキノンを配合した化粧品はこれからますます増えていくかもしれませんから、私たちもきちんと知識を持って選ぶ必要がありそう。

今日のお話で大変勉強になりました。ありがとうございました!